普段は映画というとアニメの劇場版かハリウッドのブロックバスター作品ばかり見に行くのだが、友人にお誘いを受けたので珍しく邦画を見てきた。
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初めにザックリまとめると、事前のイメージから自分が映画に求めてたものと映画が出してきたものが違っていたなぁ〜というのが、1番大きな引っかかりになってしまった。
予告を流し見した感じだと、上手くいかない現実があったとしても腐らずに自分の夢を抱き続けるみたいな話かと思い込んでいたのですが、思っていたよりも恋愛の話だったというか。
いや、あれは恋愛の話だったのかな...?
全体的に話の流れがボケているというか、脚本の意図や主題を掴みきれない部分が自分には多かったのが残念。
序盤は現在の状況説明と思い出の回想シーンが交互に描かれ続ける構成で、雫のお世辞にも上手くいっているとは言えない現在の状況と、夢を抱くに至った思い出のキラキラ具合で対比させたいのかなぁとは感じたけど、切り替えがすごい早かったのでイマイチ入り込めず。
あと過去シーンについて、ジブリアニメでの演技を再現して実写にしようとしていた気がするけど、むしろわざとらしくて気になってしまった...
中盤、上手く夢に向かえなくて仕事も行き詰まっての状態、「心の声を聞け」と馴染みの爺さんに言われて遠恋の彼氏に会いに行ったら、現地でクインテットを組んでる女性が略奪的行動を仕掛けてきて、挙句謎の誤解をしてしまってろくな説明もせずに帰国、勝手に吹っ切れた気になって再スタートを切る展開。
むしろここで切り替えも大事で過去の気持ちも経験もきっとこれからの糧になるよね。みたいな筋書きならまだ納得感も大きかった気がするんですよね。
『ラ・ラ・ランド』とか『花束みたいな恋をした』だとそんな感じの主題があるじゃないですか。終わっても、いや終わったからこそ意味のある恋みたいな。
なのに、今度は聖司が日本に帰ってきて「僕には君が必要なんだ。結婚してくれ。」とか言い出すし、雫も嬉しそうにそれを受けるラスト。
これはさすがに「ほぇ〜〜??」となってしまった。
遠距離で10年ろくに会えずに放っといて、突然帰ってきたら結婚申し込むとかあるのか?
いや、あるのは良いんだけど逆にアニメならまだしも実写映画でその展開はちょっと説得力に欠けすぎていないか?
聖司くん、その新しい夢のカタチはいつどこで見つけたのさ?
でもって雫さん、あなたさっきまで遠恋は背伸びだった本当は苦しかったと溢されていましたよね?
手紙1つで心境が180°変わるの?イタリアまで出向いて(勘違いして)吹っ切れた意志はいずこへ?
etc, etc...と、何だかラストで疑問符で頭がいっぱいになってしまった。
チェロって良い音を出してくれる楽器なんだな〜と知れたのが1番のポイントだったまである。
予告の冒頭でも流れてるフレーズ、聖司がアレンジした『翼をください』のイントロ部分だけど、ここのフレーズとても良いよね。軽快でずっと聴いていたくなる響き。
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シーンシーンで言うと、イタリアの聖司の部屋で、聖司と雫が『翼をください』を演奏するシーンで10年前と今の4人で合わせてるのが良かったのと、聖司が広場でチェロ弾いてたら色んな人が演奏に加わって大きな輪になるシーンも良かった。
ただ全体で言うとやっぱり何を言いたいのかよく掴めない映画だったかな。